74万ベクレルの魚

金 旧暦 2月4日 大安 庚辰 五黄土星 Kristoffer Christel V11 23411日目

福島第1原発専用港の魚から74万ベクレルが検出されたというニュースあり。1昨年の東日本大震災津波により未曾有の原子炉事故を起こして以来、多くの住民が避難し、その被害は甚大であったけれども、それでもレベル7という最大級の事故であったことを思えば、その被害はこれまでのところでは少なかったと僕は内心で思っている。チェルノブイリを見ても分かるように、原子炉事故とは客観的にもっともっと恐ろしい事態を招く恐れを秘めている。それがこの程度の被害で収まることが出来たのは、被害を受けた人たちに叱られると思うけれども、あえて言えば、不幸中の幸いであった。事故の後も中国やベトナムでは原子力依存の方向を緩めていないが、彼らから見ると、最大級の事故を起こした日本の場合でさえ被害がこの程度で済むのだったら、原子力もそう悪くないのではないかと開き直ってたかをくくられるのがやや心配である。だが、今日のニュースにあるように日本の心配はこれからである。放射能は一般には、コーヒーに注いだミルクがコップの中で一様に混ざって行くように、放出されればただ拡散していくのであるが、海の中の生命はその拡散された物質をまた濃縮させる性質を持っている。栄養を摂取するとは何かに逆らって濃縮させる過程であると思う。だから平均すれば低い濃度のように見えても、魚に蓄積された放射能は局所的に高くなって危険になるものと思われる。そういう魚を食べてしまうと今度は人間の内部で放射能の濃縮が起きる。原子力に賛成反対の議論は横に置いて、何としてもここは汚染がこれ以上広がらないように守り切らなければならないと思う。いたずらにおびえてもいけないが、心配すべきところはきちんと心配しないといけない。情報の公開もますます大事になると思う。