大島監督を悼む

水 旧暦 12月5日 仏滅 壬午 一白水星 Hjalmar Helmer V3 23353日目

大島渚監督がお亡くなりになった。「日本の顔」のお一人だと思う。若いときから言論の自由表現の自由のために戦う人であった。僕らが遠いところから眺める分には、激論を戦わせたりやたら怒りっぽい人ではなかったかという印象もある。いつもニコニコしていたら、多分、映画監督なんて勤まらないのであろう。ひとつの奔放な表現を、公序良俗に反するものと見るか、芸術と見るかは単に受け手の感性の問題であると思う。生と性はりっしんべんがあるかないかの違いはあるが、人間が生きていくのに大事なことで、文学や芸術のテーマになるのは自然なことと思う。そういうことが話題性の中だけで論じられたりする傾向が僕は嫌いである。僕らは激動の中に生きていて、社会がめまぐるしく変わる中に生きているけれども、人と人とが愛し合う気持ちは昔も今もきっとそんなに変わらないのだろうと思う。大島監督は社会を批判する精神の強いお人であったと思うが、それだけでもないような気がする。僕の記憶違いかもしれないが、随分前に何かのテレビ番組で文部省唱歌の「我は海の子」がお好きであると伺って、やや意外に思ったことがある。僕もあの歌が好きであったからだ。今夜はあの歌をそっと歌ってみようかしら。