一病息災

火 旧暦 6月6日 大安 丙戌 五黄土星 Kristina, Kerstin V30 231555日目

修学旅行とか、何か日常と変わったことがあると、その後で熱を出して寝込んで学校を休むというような少年であった僕は、大人になってからも、しばしば熱を出して寝込む。誰の心にも緊張と弛緩は繰り返し訪れるものと思うが、その振幅があまりに大きいと僕の肉体は耐えられないようにできている。要するに弱いのである。むろん熱を出したりすることは弛緩の時に来る。だが、そのように身体の方が自発的にストライキを起こしてくれることで、それ以上の過負荷がかからないような安全装置になっていることも事実で、その意味では、今のように平和な時代でさえあれば、恵まれた体質であるともいえる。一病息災とはきっとその辺の事情を言うのであろう。それで、ある周期で熱が出ることがあってもあまり驚かない。ところが、去年は東日本大震災があったせいもあるかしれないが、一度も身体に変調をきたすことがなかった。緊張を強いられて、かつてないほど自分には過酷な条件が続いて、弛緩の時が許されなかったといえば、それまでかもしれないが、数ヶ月刻みで回復の時を持つリズムが止まったのでちょっと不安な一面もあった。すると果たしてその不安はこの週末に現実のものとなってあらわれて、久しぶりに寝込んだ。初めは少し身体が冷えるような気がすると思っただけであるが、次第に熱が出て、くしゃみ、鼻水、咳、頭痛、関節痛、挙句には嘔吐と続いて、回復に至る苦しみは、これまでにない本格的なものになった。熱も3日間下がらなかった。同居人はよく看病し、身の回りを世話してくれた。こういう時、日本であったなら普通医者へ行くのであるが、スウェーデンでは行くところが無く、VårdCentralen へ行ってもお話を聞いて帰るだけのことになるので、自宅でじっと回復を待つより他は無い。スウェーデンでは注射をされたこともない。僕のように原因に思いあたりがあるときはこういう治療も良い方法だと内心で思っている。患者が自分の時にはそれで良いのだが、日本から仕事などである期間やってきた人に病気のときはどうしたら良いでしょうかと聞かれることがあって、そういう時には家で寝ているしかありませんよと言っても、そんなことは無いだろうと疑いの眼で見られるようで困ることもある。今日は少しものを食べることが出来た。少し元気が出たと思う。