子供の頃のお正月

月 旧暦12月9日 友引 壬戌 二黒土星 Svea V01 22973日目

今年の元旦は日曜日である。今日二日の月曜日は日本では振替休日ということになっている。暦に改めて振替休日を宣言してもらわなくてもたいていの人は三が日は休みである。僕が子供の頃は正月の三が日はどこへ行っても休みであった。せっかくお年玉をもらってもお店が閉まっていた。町はシンとしていた。退屈であった。退屈をさせないためでもないだろうが、冬休みの最中でも元日だけは登校日になっていた。お祝い幕の張られた講堂に全校生徒が集まる。旅行に出ている家族など皆無であった。式次第を覚えていないが、校長先生のお話を聞いたりした。会場は寒い。お話が終わると皆一斉に洟をすすった。それから歌の合唱もあった。紅白のお饅頭をもらって帰ったような気もする。ともかくもこの日は、新年を迎えたことで心機を新たにしようという空気が、町にも家にも学校にも満ちていた。それだけ昔は、大人も子供も、時の流れに敬虔な感慨を持っていた。それはどこかで命の大切さを思う気持ちにもつながるものがあったと思う。今の僕たちは誰も自分が驕っているとは思わない。むしろ切りつめた生活をしていると思っている人が多いのではないだろうか。けれども、あの頃の正月に比べれば、今の僕達の正月は気づかぬうちに心が驕ったものになっている。僕はあの頃の正月の退屈が懐かしい。そんなことを思いつつ今日から仕事に出た。クリスマス休暇の長いヨーロッパには振替休日は無いのである。