「A」と「B」

月 旧暦7月9日 先負 乙未 五黄土星 立秋 Silvia, Sylvia Drottningens namnsdag V32 22825日目

「AとB」というタイトルの本はたくさんある。名前をつける時、それらは「BとA」としても良かったのではないかと思って見てみると、やはり、「AとB」でなければいけないようなものばかりである。例えば、「項羽と劉邦」(司馬遼太郎)、「袈裟と盛遠」(芥川龍之介)、「安寿と厨子王」(森鴎外)、「ロメオとジュリエット」(シェイクスピア)などは、二人の人名を並べるが、音韻の短い方が先に来て、安定感がある。ところが、音韻の長い方が先に来る場合もある。例えば「秀吉と利休」(野上弥生子)。やはり権力者が先に来るのか。人名ではないが、「戦争と平和」(トルストイ)などは、落ち着きのある名詞を後に持って来ている。「点と線」松本清張)もそうであろう。「罪と罰」(ドストエフスキー)の場合は原因が先で結果が後か。人名のうちの一方が私である場合は当然私が後に来る。「娘と私」(獅子文六)、「先生と私」(夏目漱石、「こころ」の上)、「プラテーロとわたし」(ヒメーネス)。その他、「出家とその弟子」(倉田百三)、「漱石とその時代」(江藤淳)などは、置き換えようがない。あまりこういう順序は考えても益が無いか。今の仕事が終わったら本でも読んで暮らしたいな。