日本の脱原発

金 旧暦6月15日 友引 辛未 二黒土星 満月 Ragnhild, Ragnvald V28 22801日目

日本では、原子力への依存度を低くしていこうという政府の方針が出た。良識ある国民の多くはこの方針を歓迎するのかもしれないが、僕は内心で心配である。日本が、もしもこの先、滅びることがあるとすれば、それはエネルギー危機をきっかけとして起こるであろうということが、一歩現実に近づいたような気がして、心配なのである。原子力が無ければ経済が活性化できないとか、そういうレベルでの心配ではない。文明そのものが崩壊してしまうことを心配しているのである。国民すべてが節電に協力して、それでかろうじて供給とのバランスが保たれるという状態はどうだろう。人は、ほら、原子力が無くてもちょっと我慢すれば間に合ったじゃない、と安心するのだろうか。この状態でまた災害が起きたら、たちまち深刻な電力不足に陥ってしまう。再生エネルギーの活用はむろん、僕も、大賛成であるけれども、それでも、例えば火山爆発による灰が太陽光発電パネルをみなダメにしてしまうリスクも当然想定した上のことでなければならない。そんな時、どこから電気を生み出そうというのだろうか。365日停電の無い国は文明国のひとつの条件である。今回の原子力事故では、広域に甚大な被害をもたらして、誰の心にも重いものを残したけれども、誤解を恐れずに言えば、全体の崩壊から見ればこの程度はまだ被害が少ないのである。僕たちが子孫に残すべきは、電力の安定した文明社会であると思う。