草競馬

木 旧暦5月29日 先負 丙辰 二黒土星 Elof, Leif V26 22786日目

この頃は、ちょっとした工場の隅で働いている。工場にはフォークリフトが行き来している。運転すると音が出るようになっている。音はメロディーになっていて、何の曲だったかなと思いだすと、フォスターの「草競馬」である。最初のうちはそれほど感じないが、何度も繰り返し聞いていると頭がおかしくなりそうである。あれを運転する人の耳元にあの音の連続は拷問ではないかと思う。工場内で事故を起こさないための工夫かもしれないが、運転員の作業環境としては良くないのではないか。「静けさや岩にしみいる蝉の声」蝉の声と静けさは本来対立するものかもしれないが、結果として気温は22度くらいを連想させるものがある。フォークリフトの「草競馬」には静けさと対峙する緊張感が無くて、気温は30度をゆうに超える。耳が感ずる温度計だってあると思う。駅のホームの発車間際のチャイムも暑い音である。あれはせめて1秒程度の短いベルにしておくことはできないものだろうかと、時々思う。