父から聞いた話

火 旧暦5月13日 大安 庚子 四緑木星 Håkan, Hakon V24 22770日目

父が亡くなったのは、スペースシャトル、チャレンジャーが事故を起こした日であった。あまり信心深い雰囲気を漂わす人ではなかったけれども、一度だけ、不思議な体験について語ってくれたことがある。先の大戦で戦場に赴いた時の話であるが、ある時目の前にトラックが止まって、皆がそれに乗れるだけ乗って移動することになったそうである。自分も乗ろうとしたのであるけれども、乗ろうとすると、しきりと乗ってはいけないという声がする。何度試みても同じであるので、とうとう乗るのをあきらめて歩いたら、少しして、そのトラックが前の方で爆発した、というのである。自分だけ助かれば良いというものでもないが、そんなこともあるのだなと、この話を聞いた時、不思議な気がした。自分の心臓が今ここにこうして脈打っていることのためには、自分の知らないところで、色々な偶然の奇跡的な歴史の組み合わせがあるんだなというようなことを思った。世の中に不思議なことは本当にあるだろうと思う半面で、占いや超能力を無批判に受け入れてはいけないとも思う。