未だ生を知らず

日 旧暦3月15日 大安 壬寅 九紫火星 Elias, Elis Palmsöndagen V15 22713日目

未だ生を知らず。いずくんぞ死を知らん。郷土の大先輩で長くパリに住み続けた彫刻家の高田博厚氏が晩年、テレビに出ておられたのを今でも覚えている。インタビューのような番組であったが、その中で氏は、「私はもう今の年齢となっては、死ぬことが何とも全くもって平気である」というようなことを言われていた。それを聞いた時の僕の感想は、これもまた芸術の道のひとつの結論だろうかという思いと、「羨ましい」という気分と、「本当にそうだろうか」という懐疑と、わざわざそういうことを宣言されることがやや不自然ではないかという感想とがないまぜになって、不思議な気がした。しかし、いくつとなく身近な人の死を見送った今では、人が高田博厚氏の言われていたような心境に至ることはありえるような気もしている。昨日久しぶりに会った友と数分の会話をしたが、今日のブログはその会話の収録である。