師走の憂ひ

水 旧暦 11月24日 仏滅 癸丑 二黒土星 Natalia, Natalie V52 22602日目

毎年今頃、年末の休みの時期に来ると、きまって体調を崩す。今年の年末は風邪もひかなかったし、熱も出なかったが、やはり、ダランとなった。ベッドにもぐりこむと、明日の予定も来年の予定もその段取りを考えることさえも、何もかもすべて忘れて、ただ眠る。そうしてこれがいくら寝てもさらに眠ることができるから不思議である。ただふとんのぬくもりがありがたい。

友が皆 我より偉く見ゆる日よ 花を買いきて 妻と親しむ 啄木

しかし、花を買いに出る元気さえ無い時はどうしたらよいか。やはり、寝るしかあるまい。会社が休みであることを幸いに日曜日から立て続けに三日寝て、今日はようやく少し元気になった。それで外出もして、花屋の前も通ったが、お花も高そうであるので買わずに通り過ぎた。するとなんてケチな男だろうとささやく声がして、またそこで落ち込む。一度、緊張のバランスを崩すとドーンと一気に百メートルほど落ちてしまって、それからは立て直すのが大変なのである。綱渡りでもしているなら、自分が空中高くいることを自覚して緊張することもあるだろう。しかし、普通の暮らしをしていて、日常にそのような緊張感はまったく感じられない。それでも、身体のレベルでは普段からやはり緊張しているのかもしれない。落ち込んだ時は、元気な時の自分から見たら本当に何でもない些細なことをやるのが億劫なのである。人が弱い時とはそんなものかもしれない。そしてそれを知ることで、少しでも優しい人間になれるなら、年末くらい寝て過ごしても良いのだと思う。