避暑地の思い

火 旧暦 5月25日 大安 丁巳 三碧木星 Esaias Jessika V27 22428日目

いつも与えられていると、与えられることが当たり前になって、そのことに感謝したり感動することが少なくなるものである。暑く湿り気の多い日本の夏に比べれば北欧の夏は涼しくてまことに凌ぎやすい。そしてそういう夏を過ごしていると、知らないうちにそれが当たり前であると思うようになってしまう。暑い夏といえばどこかに出かけたくなるものだ。出かければ避暑地の出来事で何か良いことがあるのではないかと人は夢見たりする。ところが北欧に住んでしまえば初めから避暑地に来ているようなものであるから、夏になったとて、この先どこへも出かける必要が無い。つまりロマンが無い。そうであるのに、もしくはそうであるから、こちらに住んでいる人たちはともかくも夏になると休み、休めば移動したがる傾向を持つ。要するに暑かろうが暑かろまいが夏になれば人は移動したがるものであり、アイスクリームを食べたがるものであるという真理をつかんだ。だが僕は、あえて言えば、思い切り暑い日本の夏も好きである。夏は夜。花火の夏、蚊取線香の夏、キンチョーの夏、日本の夏を懐かしく思う日もある。