授業の惨事

火 旧暦 5月4日 友引 丙申 九紫火星 Margit Margot V24 22407日目

今の時代に何を聞いても驚くにはあたらないと思っていたが、それでも今日のニュースにはやはり驚いた。横浜の女子高校で、あろうことか授業中に生徒が隣の生徒に刺されたというニュースである。一番危ないことが一番安全であると思われていた場所で、それも神聖であるべき場所で、突然起きた。語るに落ちたと言うか、信じられないと言うか、何と言う時代であることかと思う。刺した当人には殺気を漲らせるだけの精神の緊張もなかったであろう。それがこわい。授業を無視するなら居眠りでもしていてくれた方が先生はどれほどありがたいか分からない。潜在的にこういう問題を抱えた生徒たちまでをも相手に普通に進学や就職の指導をせねばならぬ学校の先生にかかる負担も今や大変であろうなと思う。事件がおきるまで、一目見ただけでは潜在的に問題を抱えた子だか普通の子だか、きっと見分けがつかないのであろう。こういう事件に対しては対症療法的に再発防止策を講じても手遅れである。ひとつの事件が起きる陰にはそれの10倍以上の規模で、いつ同じような問題を起こしても不思議ではない人間が存在していることを思わねばなるまい。小さい頃から人との交わりができない状態で大人になってしまうと、そのものは僕らには想像もつかない突発的な性質を帯びてしまう。そうなってから対策を練っても遅い。救うべきはむしろ今の幼児である。変な事件がおきて、誰もどうしてよいか本当は分からないままに、何もしないわけにいかないものだから形だけ再発防止策を掲げようとする。無駄なことである。日本では人々がみな高等教育を受けるようになってから、却って人間の性質が低下したような気がする。これは教育基本法をどうこう改正して解決するような問題では決してない。