一人娘の結婚式

金 旧暦 4月29日 友引 壬辰 五黄土星 入梅 Bertil Berthold V23 22403日目

娘が結婚した。結婚式は何といっても人生の一大行事であるから、本人たちはそれなりに準備を重ねてとうとう今日の日を迎えた。それで無論僕も会社を休んで同居人と一緒に出席した。Solnaの市庁舎に集まったのは新郎新婦、それぞれの両親、それに新郎の姉と祖母 (Mormor) の計8名である。挙式といえば挙式に違いないが、そういう言葉では日本の人には到底正しく伝わらないと思われるような雰囲気の結婚式であった。市庁舎での挙式は長い手続きによる方を選んだが、それでも次第の全体が5分のうちに済んだ。証人として、新郎の母と新婦の母とがそれぞれサインする場面もあった。式はそれで終わった。その後全員で UlriksDahls Wärdshus へ行って昼食をとった。そのレストランは泉のほとりの森に囲まれた宮殿のそばにあって、午前中に降った雨に洗われた緑が美しかった。大勢の人たちに囲まれた結婚式ではないが、こじんまりとまとまってこれから互いに親戚となることを確かめ合うことのできる、良い時間を過ごすことができたと思う。日本の兄弟や親戚にはまだ知らせていない。別に社会に背こうという意志があるわけではないが、予め知らせてことが大掛かりに進行する煩わしさを避けたかったのである。カタチを簡単にするからといって、内容まで軽んじているわけでは決してない。こんな質素な結婚式であったが、娘に何もしてやれなかったというような忸怩たる後悔はない。娘自身の胸のうちにも不足は無い。むしろ、世間並みの栄華を低く見る思いをそのまま実行にうつすことのできた幸福を静かに喜びたい。