古い手帳

土 旧暦 2月12日 先勝 丙子 一白水星 Rudolf Ralf V12 22327日目

内村鑑三が若い頃アメリカへ渡って、そこは憧れのキリスト教の国であったはずなのに失望することもあって、そのひとつは人が腰の辺りにたくさんの鍵をぶら下げていることであった。人が信頼しあって暮らしていた昔の日本には家に鍵などなくても安全であった。それで、そんなに鍵が必要となる国は果たしてキリスト教の国なのであろうかと危ぶんだのである。今、僕はスウェーデンに住んでいるが、やはり、腰の周りに鍵をたくさんぶら下げている。鍵を持つと言うことは、何かを所有していることであり、そういう意味では後ろめたさがあるが、現代に生きるにはやむを得ない。その鍵をポケットにしまうとポケットが膨れてしまう。こないだ日本に行った時にユニクロで買って来たジーンズが、このままではポケットの部分からすぐに悪くなるに違いない。そう思って、鍵をしまう袋をベルトに取り付けたらどうかと考えた。昔、手帳をケースに収めてベルトに取り付けていたのであるが、ある年から手帳がお店で売られなくなったものだから、古い手帳はケースごと引き出しの奥にしまってあった。それを外側のケースだけ利用して鍵入れに出来ないかと思ってやってみた。ちょっと使いにくいが、しばらくやってみよう。古い手帳からは使っていない切手や名刺なども出てきて、ちょっと懐かしかった。