映画「おくりびと」を見て

日 旧暦 12月10日 先負 甲戌 二黒土星 Erika 3e trett.d. V3 22265日目

スウェーデンの映画館で日本の映画を見るのもひとつの体験で、今日は Norrköping まで行って、「おくりびと」を見た。字幕スーパーにスウェーデン語が現れて、音声は吹き替えで無いのがありがたかった。1昨年義兄を、昨年母を亡くした僕としては、ここのところ自分なりに死の思索を重く続けてきたものだから、こういう映画を見るのは避けたい気持ちも幾分かあったけれども、結果としては、見てよかったと思う。アカデミー外国語映画賞をとったからということではなく、本当に良い映画だと思った。死との向き合い方、骨肉の亡骸との離別のあり方、感じ方は、日本人の場合、西欧とは違うものがあるように思う。であるから、その感じ方の違いが、どこまでこちらの人に伝わったかは分からないが、とこかくもこれは日本人のメンタリティのあり方のひとつの紹介になっていると思う。この映画が外国で評価されて、日本人の感じ方が世界に伝わるなら素晴らしいことと思う。本木君も良かったし、山崎務も安定感があってよかった。広末涼子にいたっては、あんなに理想的な女の人は、現代では、日本中くまなくさがしてもきっといないだろうと思うくらいの理想像を好演しているものだから、賞賛を通り越して、何か現実から離れているような気さえした。若い人たちがああいう理想像を持ち続けてくれるのはうれしい。