SAABの命運

土 旧暦 11月4日 友引 戊戌 八白土星 Isak V51 22229日目

新聞に訃報あり。誕生した日1947年6月10日、死亡した日2009年12月18日。享年62歳。まだお若いのに、、、。といってもこれは人の話ではない。スウェーデン自動車産業の雄、SAABがたどった運命である。だいぶ前から経営が危ない話が出ていて、GMのてこ入れを受けるように聞いていたが、デトロイトGM本社では売れ行きの悪いモデルを整理する方針が決定し、SAABもその対象となり、結果的には年末も押し迫って匙を捨てられる格好になった。SAABの最後のモデルは9-5という。最初のモデルは92と言った。なぜか9で始まるモデルが多かった。スウェーデンのような人口の少ない国で、SAAB のような大企業が倒れれば失業者が大量に出る。国の経済に及ぼす影響は大きい。スウェーデンに限らず世界中で今、自動車産業は変革を迫られている。技術的にも自動車革命の時代を迎えている。従来の自動車産業があえぐ中、構造の簡単な電気自動車を製造する、スモールハンドレッドと呼ばれる小さな会社の群れが、特に中国やインドで台頭している。小さな会社で出来てしまうことが何故大企業で出来ないのか、スモールハンドレッドの品質管理はどうなっているのか、疑問は色々あるが、自動車産業が転換点に差しかかっていることは間違いない。もしかすると、ハイブリッドカーの時代は短く、電気自動車の時代が早く到来するかもしれない。SAABの終焉は20世紀型自動車産業の終焉を象徴的に語っていると思う。スウェーデン人たちは賢いので何とか手を考えると思うが、アジアから吹いてくるスモールハンドレッドの風は意外と手強いかもしれない。