「坂の上の雲」第1回を見て

火 旧暦 10月15日 赤口 庚辰 八白土星 Oskar Ossian V49 22211日目

坂の上の雲」の第1回を見た。あんな巨大な小説をよくもテレビ化できるものだと感心する。ともかくも豪華キャストのオールスター映画みたいなものだから、それだけでも国民的ドラマの性格が濃い。語りは渡辺謙。俳優は朗読もうまいものだと当たり前のようなことを感心する。随分昔に読んだ本であるので細かい筋は殆ど忘れている。一番印象的であったのは、好古と真之の兄弟が下宿先でひとつ茶碗を交替で使う場面だ。持ち物を減らして簡素な暮らしを生きるのにこれ以上の方法は無いと思う。悩みが多くて頭の中がこんがらかっている時に、問題解決の一番有効な方法は頭の中を空っぽにすることだと思うが、なかなか出来ることではない。しかし、普段の暮らしが、ひとつ茶碗を二人が交替で使うほど簡素化していれば、あらゆる局面で思考方法も簡潔明快になるかもしれないと思った。ああいうドラマを見て、自分が日本人であることを再認識することは良いことであると思うが、偏狭なナショナリズムに走る人が出ないことを祈るばかりである。