デニーズで分かった目玉焼きの謎

金 旧暦 9月6日 友引 辛丑 二黒土星 霜降 Severin Sören V43 22172日目

スウェーデンと日本との間のみ、年に何度か往復するものの、その他の国々については全く知らない。そんな僕でも今から30年くらい前であろうか、アメリカへ行ったことがある。まだ日本の会社に勤めていた頃、言葉もおぼつかない僕に出張命令が下って、ニューオルリンズへやらされた。ある朝食堂で朝食を注文した時、卵の焼き方をどうすればよいか聞かれて、「目玉焼きにしてくれ」と言いたいのが何と言って良いか分からない。「フライパンの上で卵を割ってかき混ぜずにそっと待って、それが焼けたら持ってきて欲しい」という風な言い方をしたと思う。ついでに「そんな焼き方を何というのですか」と聞いたら、「アップと言えば良いのよ」と教えてくれた。ちょっと変だなと思ったがともかくその次の日からは「アップ」と言えば、確かに目玉焼きが出てきた。何故アップというのか良く分からないがそんな疑問はいつの間にか意識の下に埋もれていった。この頃、東京へ出張に来ることがあって、最近はデニーズで朝食を取る。メニューの写真の下にはこんな風に書いてあった。

卵の焼き方

スクランブル 412kcal 塩分1.6g

サニーサイドアップ(片面焼き) 390kcal 塩分1.6g

ターンオーバー(両面焼き) 390kcal 塩分1.6g

これを見た瞬間、昔の疑問が急によみがえった。そして、僕ら日本人が「目玉」と例えていることをアメリカ人は「太陽」に例えているのかとハタと気がついた。日本人にとって太陽の色は赤だが彼らには黄色である。卵の黄身を太陽に見立てたとて不思議は無い。その太陽が上を向いてお皿に乗ってくるからアップなのかと思い当たったのである。間違っているかもしれないが、自分では疑問が解けたような気がしてうれしかった。注文を取りに来たウエイトレスはどこかアジアの国から来ている感じがした。それで昔を思い出し、少し気取って「アップ」とだけ言ってみたが、やはりすぐには分からなかった。