鰹節

金 旧暦 7月9日 先負 乙巳 四緑木星 Gurli Leila V35 22116日目

朝起きて口を漱ぐ時、鏡に向かって舌をべろっと出してみる。すると今朝はどうだ。舌の一部が黒く汚れているではないか。昨日はこんなの無かったぞ。痛みは無いがブラシで取れる汚れでは無いと知るとぎょっとした。何かの病気の兆しではないかと思うと、たちまち鏡の中の男の顔が不安に沈んだ。が、朝食を取っているうちに、これは昨夜の鰹節が原因ではないかと思い当たって、安心した。世の中の人たちは、これ以上削ると指に怪我をしそうなほどに小さくなってしまった鰹節をどのように処理されているのであろうか。僕の場合はこうだ。根が吝嗇な人間であるだけにできるだけ小さくなるまで削る。怪我をしないように、しかしぎりぎりのところまで削りたい誘惑と戦って、ある小ささになったら、ビニール袋の中でクルミ割りのようなもので細かく砕くのである。そのかけらを口にほおばって、まるで猫がやるように舐めていると、香ばしい味が口の中に広がってなかなか良いのである。小さいかけらは歯でがりがりと割ることもある。ところがこの方法は舌を傷つけることがあると今朝知った。今度からはもっと小さくなるまで砕いてから舐めることにしよう。こうして僕は今日、またひとつ利口になった。