仮想と現実

火 旧暦 6月14日 先勝 辛巳 一白水星 Arne Arnold V32 22092日目

10日ばかり前にアジア地区に皆既日食があって、この日、西日本は大雨であったが、硫黄島とその周辺海域では皆既日食が見られた。NHKでその特集番組が放送されて、そのビデオを最近見た。それなりに面白かったし、テレビはありがたいものと改めて思ったが、空に黒い太陽が現れてあたりが神秘的になる現実の風景は、その場にいなければ決して伝わるものでは無いだろうとも思った。どんなに大型画面で再現したとしても、テレビはやはり仮想の世界である。現代人はこの仮想の世界を見て現実を見たと錯覚することが多くなった。そのことが却って、人間が元来持っていた想像力を後退させているのではないかと思うこともある。仮想の世界はコンピュータの発達によって広がりを見せて、人はますます現実から遠ざかり、本当の現実に感動する場面が減ってきているような気がする。