敦賀の海

金 旧暦 2月 3日 仏滅 癸卯 四緑木星 Lage V9 21934日目

敦賀湾に沿う道をタクシーで行く。電車に乗る時間を告げると、運転手は間に合わないかもしれないと言った。僕は間に合わなくても良いから、急がずに安全運転でお願いしますと言う。道はくねっていて、坂道が続く。その分、走るごとに海が新しい角度で広がる。ただ、海の色は、僕が小さかった頃は本当に美しかったが、今はどこか汚れているように見える。しかもコンクリートの塊があちこちにあって醜い。小学校の遠足で敦賀まで来た時の思い出が忘れられない。福井から敦賀に向かう時、昔は北陸トンネルが無かったから、短いトンネルをいくつも抜けた。杉津のあたりでは汽車がトンネルを抜けるたびに一瞬だけ海が見えた。そしてそれが幾度と無く繰り返された。それはそれは青い海であった。もうあの時代の海には戻ることができないであろうなと思うと、寂しい。タクシーは電車の時間に間に合った。電車に乗って福井に来て泊まる。