停電の多い国・少ない国

月 旧暦5月13日 大安 丁亥 四緑木星 Axel Axelina V25 21676日目

日本という国はすごいなと感心することはいくつもあるが、そのひとつに挙げても良いのではないかと思われることは停電が少ないことである。雷などで無論停電することはあるが、そんな場合でも、殆ど瞬時にスイッチ回路が働いて復電することが多い。僕が子供のころは、日本でも停電は多かった。経済が成長するにつれて停電することは少なくなった。如何に停電しないかを数値化できればそれはその国の経済をも占うかもしれない。文明が発達するにつれて生活は電気に大きく依存するようになった。停電が起きると今や誰もがたちまち困るようになった。けれどもとりわけ深刻なのは、病院での停電である。大きな病院には原子力発電所と同じようにディーゼル発電機が設けられていて、母線電圧の低下により自動起動するようにできている。しかし、そのような設備がいつでも確実に作動するように日頃から保守しておくことは容易ではない。原子力発電所でさえ、ディーゼル発電機が起動すべき時に起動しなかったという深刻な事例が報告されている。問題が起きてから電気の専門家がかけつけても、病院のようなところでは間に合わないおそれも出てくる。実際スウェーデンでは停電による医療事故が起きるのはもはや時間の問題ではないかと言われている。若い人たちは、一般に華やかな職業に就きたがるかもしれないが、これからの時代に、電気や機械の保守という地味な仕事を引き受ける人がはたしてたくさんいてくれるか、僕はやや心配である。