その金曜日

金 旧暦2月14日 先負 庚申 九紫火星 Bengt Långfredagen V12 21591日目 -1.2℃

外に出ると明るい春の光の中にひらひらと花が舞っている。と思ったのは錯覚で、ひらひらの正体は雪であった。雪はゆっくりと中空に漂ってやがて消えて行く。そんな風に静かに降りはじめた雪がお昼には強くなった。横にしぐれて、窓からぼんやりと外を眺めていると、枝々の片方ばかりが白くなった。今日は Långfredag。 日本語で何というのか知らないから、「その金曜日」とタイトルに書いた。今年は復活祭が早い。復活祭は、春分の後の満月のその後に来る日曜日と決まっている。今年は春分の翌日が満月でその翌日が土曜日であるから、これ以上早まることはできないほど復活祭が早く訪れた。日本の暦では満月は3月22日であるが、スウェーデンの暦では3月21日になっている。スウェーデンでは日本でより早く満月になるのではむろん無い。太陽と地球と月がひとつの平面上に並ぶ満月の瞬間が日本では3月22日の午前3時40分で、その時刻はスウェーデンではまだ日付が3月21日である、というだけのことである。その満月は、この雪では見られないであろうなと思っていたら、夜になって、水蒸気に包まれた、まるで日本で見る月のような朧月が空にかかった。