首相の暗殺事件

2023-11-24 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 10 月 12 日>(先負 丙戌 二黒土星) Gudrun Rune   第 47 週 第 27317 日

 

首相の暗殺事件と云へば、日本にも何度かあって、真近くは、奈良での安倍首相の事件であったが、それをきっかけに旧統一教会の被害状況があらはになるなど社会問題になった。昔の例では、犬養首相が襲はれた事件もあった。1932年の五・一五事件である。犬養首相は、満州で軍部が本国の方針に従はずに勝手に暴走することを懸念してゐたが、そんな首相を軍部の青年将校等が襲撃した。「話せばわかる」といふ首相の言葉に、ピストルで応じたことで有名な事件である。この頃の満州での軍部の暴走を止められなかったことが、日本の大きな蹉跌であったと思ふ。それは悪いことだと誰にもわかるのだが、満州の状況がうまくいく様に見えると、道理は引っ込んで、国民はこぞって軍部を支援してしまった。この時の失敗が、今なお、日本といふ国は信用できないと国際社会から思はれてしまふ原因を作ったと思ふ。それまでは大正デモクラシーと言って、割と民主的で消費生活を楽しむ時代もあったと聞く。その状況が現代と似てゐることから、今は「新しい戦前」ではないかと危惧されることもある様だが、今の私たちは、何があっても昭和初期の日本の蹉跌を繰り返してはならない。「大丈夫だよ」と思ふことが一番危ないのだ。

冬至まであとひと月ほどか。早い午後の日没。