イラクでスウェーデンが嫌はれてゐる

2023-07-22 (土)(令和5年癸卯)<旧暦 6 月 5 日>(仏滅 辛巳 一白水星) Magdalena Madeleine    第 29 週 第 27192 日

 

このところのスウェーデンでの主なニュースは、イラクスウェーデンを敵視するデモが盛んなことについてである。スウェーデン製品ボイコットの運動もある。二日前にはバグダッドにあるスウェーデン大使館の建物がデモ隊によって放火された。大使館員たちは逃げて怪我はなかったとのことであるが穏やかでないニュースだ。イラクばかりではなく、イランやカタールなどの国々でもスウェーデンに対して苦言を呈せられてゐる。ことの起こりはスウェーデンで一部の人たちがイスラム教の聖典であるコーランを燃やす事件を起こしたことである。そもそも信仰の自由は他の宗教をも尊ぶ気持ちとワンセットであることが前提だと思ふ。なので自分にとって異教であるイスラム聖典を焼くといふ行為は厳に慎まねばならない。誰が悪いかといへば、まづコーランを燃やした人たちが悪い、と僕は思ふ。ところがスウェーデン当局は「言論の自由」を守るために、その人たちを罰したり活動を禁止させることをしない。そこまで好き勝手なことをしたものならば罰したりそんな集会を禁止しても良いと思ふのだが、「何でもあり」のスウェーデンでは罰しない。これをイラク側から見ると、スウェーデンといふ国は国をあげてコーランを燃やすことを容認してゐると映るのである。このイラクの解釈もまた大人気ないものだと思ふ。悪いのはほんの一握りの人たちだけである。イラクでは、もともと暴動を起こしたくてたまらない民衆の不満が発火点近くまで高まってゐたからこそ、このことがきっかけで燃え上がったのではないかといふ気もする。それだからこそ、そんな時期にそんな人々を怒らせる口実を与へることは避けなければならないのに、、。どちらも対話を重んじて、寛大で忍耐強く、慈悲深い本来の宗教心に戻ってもらひたいものだと思ふ。「和をもって貴しとなす」といふ日本の十七条憲法の教へに学んでほしい。この小さなことがキッカケとなって大事件にエスカレートしなければ良いがと祈るばかりである。

バラは夏の季語。中学校の音楽で習った「庭の千草」はアイルランドの歌だが、ヨーロッパでは「夏の最後のバラ」といふ題である。