「思う」と「考える」

月 旧暦 1月17日 大安 辛未 五黄土星 Agne Ove V7 24842 日目

角川必携国語辞典で「思う」を引くと、「思う」と「考える」をどの様に使ひ分けるかの説明がある。「数学はむずかしいと思う」、「数学の問題を考える」などと使用例も書かれてゐる。良い字引だと思ふ。では、この二つの例文を英語で言へばどうなるだらう、think を使ふのは前者かなと思ふ。Google translate にかけて見ると、前者は ’I think mathematics is difficult.’ と出た。後者は ’Think mathematical problems’ と出た。’I try to solve a mathematical problem.’ くらゐの方が良いかもしれない。スウェーデン語には tro, tycka, tänka などがあって、僕は今でも使ひ分けができない。分かってる範囲でその違ひを書くと、「あの人は来ると思ってたのに」と言ふ時は tro を使ふ。’Jag trodde att hon skulle komma.’ こころの中に何かを持ち続ける様な感じがある。「もうそろそろ帰らうぢゃないか」と言ふ時は、tycka になる。’Jag tycker att vi ska gå hem.’ 何か課題がある時は tänka を使ふ。「明日の予定を考える」なら ’Jag tänker på scheman imorgon’ で良いのかな。この三つの例文をまた Google translate にかけて見ると、’I thought she would come.’  ’I think we should go home.’ ’I think of schedules tomorrow.’ となった。三つとも think を使ってゐる。日本語には「思う」「考える」などあってそれぞれ場合に応じて使ひ分け、スウェーデン語には ’tro’ ’tycka’ ’tänka’ などがあってこちらもそれぞれ場合に応じて使ひ分けるのに、それに対応する思ひ当たる英語は ’think’ ただ一つしか無い、と言ふことは何かを象徴してゐる様にも思はれる。日本人にとって、外国語として英語を学ぶより、外国語としてスウェーデン語を学んだ方が親しみやすい様な気がすることの背景には、この様なことも関係してゐるかもしれない。