過労死事件の顛末

水 旧暦 11月30日 仏滅 甲申 三碧木星 Benjamin Värnlösa barns dag V52 24783 日目

電通の新入社員が過労自殺した問題を受けて、電通社長は来年1月に辞任すると表明した。経営者は社員の働き方に対して責任を持つべきであるといふ事を社長自らが認めた点では前進だと思った。ただ、日本人の働き過ぎの傾向は、この様な事件が起きても簡単には解消しないだろうとも思ふ。今回の事件で僕は一つだけ分からないことがある。それは、自殺した従業員は、自殺するほど苦しかったのなら、何故「会社を辞める」といふ選択をしなかったかといふ疑問だ。人間は死ぬ気になれば何でもできさうな気もするのだ。その様な疑問を発すると、「それは通常の心の状態にあるものの質問であって、追ひ詰められた状況では判断力を失ふのだ」と言はれるかもしれない。就職活動で難関を突破して入社したエリート社員にしてみれば、会社を辞めた後に待つ運命がどの様なものであるか想像するのも恐ろしかったかもしれない。でも、人間は生きてゐて何が一番大事かといふ事を普段から考へる自由の精神を養はなければ、これからの時代を生きていくのは難しいのではないかといふ気もする。だから会社は野放図に仕事をさせても良いのだと言ってるわけでは決してないのだが。