小鳥の餌やり

木 旧暦 4月18日 先負 辛亥 六白金星 Solbritt Solveig V23 24223日目

動物の好きな人がゐる。ペットとして犬や猫を飼ってゐる人も多い。犬と一緒に生きた人の物語で感動した本は中野孝次の「ハラスのいた日々」、猫の物語では、早坂暁の「公園通りの猫たち」。ああいふ本を読むと自分は動物に対して如何に薄情であるかがよく分かる。もはや仕事を持たぬ身となった僕は犬か猫でも飼ってやれば日常生活の価値観も変はるかもしれないのにと心のどこかで思ふのだが、その一方で僕は移動することも多いし、その都度動物を連れて行くのは大変なので、やはりペットは飼はないことにしてゐる。でも、家の食堂の窓の外には小鳥の餌カゴが下がってゐる。そのカゴにこの頃は毎朝、餌ボールをひとつ入れてやる。すると小鳥たちはひっきりなしにやって来てつつく。それを見ながら僕も食べるものを口に運ぶ。小鳥を飼ふわけではなく、これなら長いこと不在にしても心配は要らない。それで妥協してゐる。鳥は僕が近づくと逃げるが、キツツキなどは一気に30メートルほど逃げてすぐにまた戻って来る。また近づくと同じことを繰り返す。中には横着な鳥も居て、僕が近づいても3メートルほど離れるだけで様子を伺ひ、どこか僕をなめてかかる眼差しの鳥も居る。さう言へば去年よく来てゐたカラスの親子はこの頃どうしてゐるのか、あまり来なくなった。