菜の花の国・スウェーデン

月 旧暦 4月8日 大安 辛丑 五黄土星 Urban Annandag pingst V22 24213日目

菜の花と言へば日本では春の季語である。司馬遼太郎の命日は2月12日で「菜の花忌」と呼ばれ、良い名であると思ふが、野生の菜の花の開花までにはまだ間がある頃にお亡くなりになった。花の中には一輪だけで咲いて美しい花もあるが、沢山集まって咲くことで人を惹きつける花もある。菜の花もさうであると思ふ。山もと霞む春の夕暮れに菜の花畑が広がる風景は日本の原風景と思ふが、そこには水彩画の様な淡い色の印象がある。それに比べると、スウェーデンの菜の花は色彩が濃い。もしスウェーデンにも季語と言ふものがあったなら、菜の花は夏の季語であらうと思ふ。夏の光の青空のもとにどこまでも広がる黄色の菜の花畑は美しい。それはスウェーデンの国旗の色をも連想させるものである。僕の好きなスウェーデンの風景のひとつである。