官邸ドローン事件

日 旧暦 3月8日 仏滅 壬申 三碧木星 上弦 Teresia Terese 4 i påsktiden V17 24184日目

首相官邸屋上に小型無人機「ドローン」を飛ばした容疑者が逮捕された。容疑者は福井県小浜署に自首したから捜査の手間は省けたかもしれないが、いづれ苦もなくつかまるのは自明であった。容疑者は自らのブログにこれまでの開発状況を載せてゐたからである。犯人が現れるまではどこかミステリアスで、この事件の背後にはドローンに関する相当プロフェッショナルな知識を持つ人物の存在が想像された。その機体が中国製であったことも不要に疑心を煽ったと思ふ。が、いざ逮捕されてみると何だかやることが素人っぽくて稚拙な感じがする。犯人は、およそこの様ないたづらが国家中枢を揺るがす大事件としてトップニュースになることなど想像しなかったのではないかとも思ふ。あまりの反応の大きさに驚いて自首したかとも思はれるフシもある。さらにそのやり方がテロの手法を踏襲する様で何とも汚らしく感じられる。反原発を訴へたかったといふが、かういふ手段に出たのでは、反原発の動きそのものが汚らしい反社会的な印象を受けてしまひ、もっと真摯に反原発を主張する人々の足を引っ張る結果に落ちる。ただ、実害の無いところで、新技術がもたらす警備上の弱点を指摘してみせたといふ点では、意義のある犯罪であったと言へるかもしれない。恐ろしいのは緻密な頭脳で周到に用意されたテロリズムである。