震災と戦争

金 旧暦 11月5日 先負 辛羊 八白土星 Stefan Staffan Annandag jul V52 24062日目

年が明けて3月が来ると東日本大震災から4年になる。あの震災で日本国民が体験したことは、70年前の敗戦体験との比較に於いて、その類似点を語られることがしばしばある。けれども決定的に違ふことは、70年前には日本中の主な都市が殆ど焼き払はれ、北から南まで全体が打ちのめされてゐたと言ふことである。助け合ひの精神そのものは当時も今も同質であるか分からないが、当時は周りを見回してもどこもかしこも苦しかった。だから頑張り合はうと言ふ気持ちにも地域差は無く対等であった。ところが東日本大震災では、被害を受けて廃墟と化した村と被害を受けなかった巨大都市との格差はあまりにも大きい。そして幸運にも被害を免れた人達は、不幸にも被害に遭ってしまった人達に対して、無意識のうちに優越感の様なものを感じてしまふものらしい。本当の助け合ひとは、同じ状況に身を置いてこそ分かるものだと思ふが、僕らは日常生活の中で、被害に遭った人たちの身になってみることは難しい。だから僕は「花は咲く」とか、あまり歌ひたくないのだ。