水曜大工

水 旧暦 4月16日 先勝 乙酉 七赤金星 Halvard Halvar V20 23835日目

僕は体重が軽い方である。BMIで言へば 21.5 である。ついでに言へばー余計なついでで自慢する様に聞こえるかもしれないがー実際自慢してゐるのでその自慢を続ければー我が高校時代の体重と今の体重はほぼ同じである。そんな僕が台所を歩くと食器棚の食器がガタガタと音を立てて揺れる。震度2はある。親が残してくれた日本の僕の家は、どの部屋にしても歩くと振動するのである。歩く度に床がメリメリと音を立てて何ミリか沈むところもある。本当は床をはがして手当をしなければならないのだが、とてもそれを自分で補修するだけの技量は無い。お金を出して補修を依頼しようと言ふ馬力も無い。もし補修を依頼すれば、住むんだったら立て替へなさいとたしなめられることが分かってゐるので、見積もりを取ることも出来ない。いつかは駄目になるこのお家であるが、せめて僕の生存中は何とかもってもらひたい、と祈る様な気持で、こないだの日曜日に近くのホームセンターで床板を何枚か購入した。それが今日配達されて来たので、早速工事に取りかかった。工事と言っても、今の床の上にもう1枚床を重ねることで何とかあのメリメリ感だけを回避できないかと言ふ、姑息で横着な手抜き工事である。本当はピアノやタンスをどかして部屋一面に床を追設したいのであるが、重量物はひとりでは動かせないので、何だか格好の悪い出来映へになった。それでも出来上がると、この床は無いより遥かにマシであることが分かった。応急手当で騙し騙しであっても、使へるものは使へる限り使ってやりたい。古い家を労ってやりたい愛しさを反芻することしきりであった。