働く日、休む日

金 旧暦 9月21日 大安 甲子 六白金星 Inga Ingalill V43 23635日目

僕たちがスウェーデンに移り住んだ頃は、日曜日はデパートをはじめ大抵のお店が閉まって、町はひっそりしてゐた。ものを売る人も買ふ人も同じやうに週末は休んだものであった。働く日と休む日を誰もが皆、歩調をあはせて同じ日にとってゐたから、週末は社会全体が本当に休みの気分があった。でも、いつからか、日曜日にもお店が開くやうになった。それで休日が忙しくなった。仕事をする時は誰もがそれなりに緊張し、頭を使ふが、昔は休みの日には頭を使ふことも無かった。ところが、経済が発達して来ると、身辺の消費生活も活発になった。電子計算機とか印刷機とかそれまで会社にしか無かったやうな文明の機器が家庭に入り込むやうになった。お店には高度な技術を駆使した製品が並び、ものを買ふ時に良く考えないといけない時代になった。人は生産する時ばかりではなく、消費するにも頭を使はなければならなくなったのである。ストレスの多い生産の日と頭を使ふ消費の日を繰り返すばかりで、人間は次第に本当に休むことを忘れた。現代社会に凶悪犯罪が増加するのも、人間が休みを取らなくなったことから来る歪みが原因であるとも言へる。必ずしも昔は良かったと言ってゐるのではないが、現代にあっては、自分の責任において、本当の休みを取るバランスを考へないといけないと思ふ。