終戦から68年

日 旧暦 7月12日 赤口 丙辰 二黒土星 Ellen Lena V33 23567日目

今年の終戦記念日は旅先で迎えたこともあり、それについて書くことがなかったので、三日遅れであるが少し書こうかと思う。僕も戦後生まれで戦争の体験は無い。それでも幼い頃に戦後間もない空気を吸って生きて来たものとして、思うことを少し書いてみたい。平和憲法が制定されて以来、日本には再び戦争の災禍が起こることはまず無いだろうという想定のもとに僕たちは青春を過ごして来た。60年代の安保闘争を可能にしたものは、誰もが、戦争が本当に起こることはないであろうと信じていたことである。しかし、東日本大震災で、まず無いだろうと思われていたことが現実に起こる場合があることを知り、戦争もただロマンチックに起こらないであろうと思っているだけではだめではないかと思うようになった。折しも憲法改正への動きが見られる昨今の動向が僕にはやや疑問である。恐ろしいのは少数のリーダーの意見ではなく熱狂しやすい民意である。映画のイメージなどから、戦争への道を歩んだ時代を、「軍靴の響きの近づいた時代」と表現されることがあるかもしれないが、軍靴の響きなど実際には聞こえないところで戦争は近づいていたのではないかと思う。当時の庶民の毎日の生活に追われる意識は、現代の僕たちの生活の意識とさして変わらなかったのではないかと思う。そういう日常生活の延長の先に災禍が待ち構えているとは、当時の人々に予想できなかったように、今の僕たちにも予想がつかない。人は間違っている間はそのことに気づかない。僕は今の平和憲法を守り続けることが、この先間違いを起こさない唯一の方法だと思っている。今の憲法が時代の状況にそぐわなくなって来ているのであれば、変更すべきは憲法ではなく、状況である。