寿司バー「こひろ」

土 旧暦 3月4日 赤口 己酉 七赤金星 Artur Douglas V15 23440日目

スウェーデンに移り住んだ頃には、当時の人口が2万人くらいであった僕らの町には中華料理店は1軒しかなかった。それが次第に増えてこの頃は寿司バーもある。あまり外食をすることが無いのでそういう食堂があってもなくても僕らの実生活には関係無いが、「こひろ」という名前の寿司バーは中国人のご夫妻が経営していて、ちょっとしたことからそこの奥さんとわが同居人とは友達になっている。ストックホルムに住むKさんが僕らの町に来たので、今日は同居人と僕と三人でこの「こひろ」へ行き、夕食を一緒にした。とてもおいしいお寿司をいただいた。「こひろ」の奥さん(といっても娘の年齢と変わらないような若い人であるが)はよく働く人でお店が忙しく、なかなか一緒に話をすることはできなかった。小学2年生くらいの男の子がちょっとうれしそうな表情でお手伝いをして僕らの席へお茶を入れに来たりした。Kさんにもまだ小学校にあがらない男の子がいる。Kさんにはいつも会っているような感覚があったが、実際に会ったのはもう2年ぶりくらいにもなる。話をしているうちに僕らがスウェーデンに来た頃の思い出話のようになってしまった。苦労もあったといえばあったが、そういう話をしているうちに、結果として自分達は何と幸せな来し方のうちに生活してきたことだろうかというようなことを思った。この頃は円安がかなり急速に進んだので、人によってはそういうことに対して一喜一憂があるかもわからないが、人間の幸せは自分の収入が円に換算するとどうなるというような比較では語ることができないような話もした。通貨の変動によって自分の客観的価値が変わるわけではないのである。