ヒッグス粒子

水 旧暦 5月15日 先勝 丙寅 七赤金星 満月 Ulrika Ulla V27 231537日目

ヒッグス粒子の存在を証明する実験結果が出たと新聞に出ている。物理学者には大事件かもしれないが、僕らにはああ、そうですか、という風にしか分からない。万物の物質的原因は何であるかという問いかけは、うんと古代からあった。宇宙の成り立ちや物質の原因が物理学者によって次第に明らかにされて、科学の進歩を祝福し、彼らはそれで満足かもしれないが、結局のところ、僕らには何も分からない。うんと勉強すれば分かるようになるのかもしれないし、そのような努力もしないで分かりませんというのは横着かもしれない。けれども仮に勉強したとしてもその結果、その理論は世界の成り立ちを説明することは出来ても、何故そうなっているのかという問いかけにはやはり答えられないのではないのかという気がして仕方が無い。高校時代に習った物理の先生が授業中につぶやくように言った言葉がある。「物理学とはどのように力が作用するかを説明してくれるが、何故そこに力が作用するのかは説明してくれない」。現代物理学はその「何故」を追いかけている。だが、結局のところ、その追求をとことん突き詰めた時、それは物理学の枠内でおさまる話なのだろうかと、僕は思ったりしてしまう。