大飯発電所の再稼働

日 旧暦 4月28日 先勝 己酉 四緑木星 Torborg Torvald V24 23140日目

関西電力大飯原子力発電所の再稼働が決まった。世論を二分したという触れ込みの割には、この決定に対して断固反対という声が意外に少ないことにやや違和感を覚えた。そもそも原子力発電所の安全性は世論によって決定されるような性格のものではない。それが本当に安全なのかどうかという問いかけは、問いかけ自体が無意味である。でははたして飛行機は安全なのでしょうか。鉄道は安全なのでしょうか、自動車は安全なのでしょうか。それらの疑問は、問いかけ自体が間違っている。なぜなら、運用の仕方によっては安全とも言えるし、日頃の保守を怠ればどんな文明の利器もたちまち危険な道具に化してしまうからだ。それらはいわば答えのない設問なのである。何かしら、いかなる時も無条件に絶対安全でなければならないと思い込む要求自体、僕に言わせれば横着な要求である。ストレステストとか、ある種の書類審査に一度通ってしまえばあとはもうお墨付きの安全評価をいただいたも同然と思い込んで安心してしまうことの方がよほど危険である。原子力がなぜそこまでうるさく言われるかといえば、それは福島のような事故が起きれば広範囲の市民を巻き込んでしまうからである。そのことはやはりどこまでも謙虚に受け止めなければならないが、福島で起きたあのあまりにも特殊な状況を一般化して議論しても得るところは無いように思う。