通勤時間の読書

火 旧暦 11月2日 赤口 辛卯 六白金星 大雪 Angela, Angelika Islamskt nyår (tab.) V49 22581日目

「この国を出よ」(大前研一柳井正著 小学館)という本を行き帰りの電車の中でパラパラと読んでいる。この頃の暮らしでは、本を読むのに許された時間はわずかに通勤時間だけであるが、それすらも寝てしまうことが多いので、ますます何も考えない人間になってしまう。ビジネス関係の本はあまり読みたいとも思わないのであるが、友達からまわってきたので、読んでいる。駄目になっていく日本に対して真剣に危機感を持とう、というのがこの本のメッセージである。将来の日本は大丈夫だろうかという危機感は確かに僕にもある。何が日本をここまで悪くしたのだろうか。生まれたばかりの赤ん坊は、百年前も今も変らない。あらゆる可能性を秘めてこの世に暮らし始めるのに、育っていく過程の、それも最初の数年で、大きく変わってしまうのである。畏れなければならないものを恐ろしいとも思わず、志を抱くこともなく、ただ自分の直接的な欲望を満たすことだけ考え、社会とのかかわりを避けようとする人間が社会の大半を占めるようになったら、その社会は必ず崩壊する。そのように育ってしまった人間には何を言って聞かせても通じない。僕はこれからの日本を救う道は、大人に呼びかけるよりも、多感な子供たちに語りかけるべきではないかという気がしている。