帰郷

日 旧暦 6月28日 先負 庚寅 一白水星 Silvia, Sylvia 10e.tref. Drottningens namnsdag V31 22461日目

今日から1週間休みをもらうことにした。それで朝旅館を出て、今は空家になっている家へ自転車で帰った。福井市の中心部から距離はそんなにないのであるが、交差点や信号が多くて、その都度徐行したり停止したりするものだから、時間がかかった。高校時代に通いなれた道も走ってみた。同級生たちはどうしているかなと思いつつ走った。バスが僕を抜いて行った。そうしてお昼近くに家に着いた。もう今は祖母も父も母もいない家である。ひっそりとして、ただ懐かしさだけがある家である。戸を開け放つと松の枝間から風がわたって、思ったほどには暑さに苦しまなかった。けれども何もせずにただぼんやりと過ごした。長男としてこの家に生まれながら、ここを空家としてしまうのは不甲斐無い息子には違いない。何故物好きにはるばるスウェーデンまでも出かけていったのかと改めて問われれば、何とも答えようが無い。そういう運命であったとしか言いようが無いのである。帰郷の機会を得て、今はなき父母と祖母の鎮魂のために、暑くてもここで数日を静かに過ごしてみたい。