天長節と地久節

木 旧暦 11月9日 先勝 癸卯 三碧木星 Eva Julafton V52 22234日目

天皇誕生日のことを戦前は天長節といった。皇后誕生日のことを地久節といった。しかし、こういう呼び名は江戸時代には無かったろうと思う。明治時代に日本が近代国家として体制を整えた時に作られた名前であろうと思う。天長地久というと、「おわりなき世のめでたさ」がいつまでも続くことを表わしている。白楽天長恨歌は「天長地久時ありてか尽く」「この恨み綿々として絶ゆるときなし」という風に終わる。いくら玄宗皇帝のお嘆きでも大げさではないかと僕は思う。これに近い言い回しは聖書にもある。「天長地久時ありてか尽く」に近い言葉としては「天地は過ぎ行かん」。「この恨み綿々として絶ゆるときなし」に対応する言葉としては「されどわが言葉は過ぎ行くことなし」。もしくは「いつまでも存続するものは信仰と希望と愛である」。こうやって比較してみると、天地過ぎ行きし後に、人間は「恨み」を残し、神は「愛」を残すということだろうか。後に何も残らないのも良いのではないかと思う。