夢うつつ

水 旧暦 10月23日 友引 戊子 九紫火星 下弦 Anna V50 22219日目

夢の世界に対して、現実の世界のことを日本語で「うつつ」と言う。「うつつを抜かす」と言えば、あることに夢中になって、現実の中でやるべきことも忘れてしまうような状態を言う。ところが、どうにも僕の語感の中では、この「うつつ」の方がむしろ夢の世界であるかのように一瞬錯覚してしまう。これは僕一人の現象だろうか。ちょっと気になったので字引(岩波古語辞典)を引いてみたら、何番目かの意味に、「古今集の時代から「ゆめうつつ」「ゆめかうつつか」などと多く使うので、誤って夢心地をさす」と書いてあった。だから僕の語感はさほど的外れでもなかったことになる。「あなたが私に会いに来たのだったか、私が会いに行ったのか、そもそもあれは夢であったのか現実であったのかはっきり覚えていません」と一方が言えば、「どっちであったか今夜はっきりさせたら良いでしょう」などと返したりする。理屈っぽいと言えばそれまでだが、昔は優雅で良いなと思う。