チンパンジー同士の協力

日 旧暦 9月1日 先負 丙申 七赤金星 新月 Lukas 19e. tref. V42 22167日目

チンパンジーが協力しあうというニュースを見た。隣り合ったふたつの透明な個室のそれぞれにチンパンジーがいる。一方のチンパンジーの前にはジュースが置かれ、もう一方のチンパンジーには杖が与えられた。ジュースを目の前にしたチンパンジーは、隣の相棒に杖をこちらに寄越せと要求する。すると相棒はその杖を渡してやる。杖を得たチンパンジーは無事にジュースを手元に引き寄せることが出来た。これでチンパンジーには協力し合うことがあることが分かったとニュースで言っていた。ここでしかし、僕は思うのである。ジュースを手にしたチンパンジーは自分は半分だけ飲んで、残りの半分を協力者に還元する、という知恵は無いのであろうかと。もし、それだけの知恵があれば、チンパンジー社会はもっと洗練されたものになるはずなのである。このニュースを見て僕はこうも思った。町で会っても声をかけ合うことの無い現代人は、まるでこのチンパンジーとそっくりではないかと。人間ならきっと「杖をこちらに回してください」と、携帯メールでも送るのに違いない。そうして多くの人たちにはジュースを半分ずつ分けあう知恵もきっとないだろう。すると現代の人間とチンパンジーとは本質的に変わりないなという結論になった。