富士登山

土 旧暦8月14日 先負 丙辰 五黄土星 Sture V37 21767日目

富士登山に挑戦した。山登りには全くの素人で、これまでに登ったことのある山と言えば、六甲山、三上山、二上山くらいのものである。それがいきなり日本の最高峰を目指そうとするのであるから無茶ではないかと案じもしたが、ともかくも登った。前の日から、もしも富士山で遭難したらどうしようとか、道に迷って、「八甲田山死の彷徨」みたいになったらどうしようとか心配した。それで万一を考えて、飴やチョコレートの他に食糧や水もつめたら、リュックは結構重くなった。寝る時は寒かろうと、厚めの衣類も入れた。新宿から富士山五合目まではバスで行った。中央高速道路が混雑していたものだから五合目に着いたのは午後3時になり、食堂でオムライスを食べてそれから登り始めた。若くてポパイのような頑強な体つきのスウェーデン人と二人で登ったのであるが、僕はゆっくりしか行くことが出来ない。彼は僕のペースに合わせてくれた。何しろ、坂道の連続で途中からは岩場もあるので、片方の足を先に出せばもう片方の足をそれに合わせる、というような、ゆっくりペースである。登山道には人の行列が出来ているので、道に迷うことはなかった。色々な人たちと先になり後になりしたが、僕よりも年上らしい人はなかなか見当たらなかった。大気が不安定であるという天気予報を聞いていたので、雨になるかもしれないと心配であったが、幸いに雨は降らなかった。登り行くほどに日が暮れて、まだ明るい空に十三夜の月がかかった。本八合目の山小屋に着いたのは午後7時であった。あたりはもう暗くなっていた。