ヘンミ計算尺

日 旧暦7月24日 赤口 丙申 七赤金星 下弦08:50JST Bartolomeus 14e. tref. V34 21747日目

机の入れ替えをしたら、古い机の引き出しに、昔のノートや文房具やお誕生日カードや、もう何年も使わないままになっているものがたくさんあって、その整理に今週は時間を取られた。新しい机には引き出しをつけない主義としたので、これまでの引き出しにあったものは嫌でも整理されなければならない。大抵のものは捨てたけれども捨てがたいものがあって、その筆頭が計算尺である。いくらするものであるかということだけでは評価できない何かがある。目盛りを正確に刻むこと、摺動をなめらかにすることなど、出来上がるまでに一品ごとに大変な手がかかっているので、おいそれと捨てるわけにはいかないのである。僕らの学生時代にはまだ電卓が無かったから、計算尺は大事な道具であった。といっても僕の場合は、使い方に全然精通していなくて、計算尺を持っているだけで、なんとなく技術者の卵のはしくれになったような感慨を覚えただけなのであるけれども。今は全く使うことが無い。使わないと言えども捨てるわけにはいかないものがあることを今更のように知った。そういえば、あの計算尺を製造していたヘンミという会社は今はどうなったのであろうかと気になって、インターネットを調べてみたら、立派に事業を存続させていた。トモエそろばんはどうであろうかとまた調べたら、こちらも健在であった。優良企業は時代の風の向きに関わらず生き残ることができるのであるなと安心したり、励まされたりした。