卒業式

金 旧暦5月10日 友引 甲申 七赤金星 Aina Aino V24 21673日目

僕らの町は小さい町であるが、それでも小学校はいくつかある。今朝はそれぞれの学校から、小学生たちが行列をなして町の中心部にあるお城の広場に行進した。広場といっても草の上である。全員が揃ったところで、終業式が始まる。スピーチや歌やブラスバンドなどの式次第である。式は午前中くらいで終わり、後は両親達と一緒に広場のあちこちに座ってお弁当を食べたりする。このように、外で開かれる卒業式であるから、雨が降ると具合が悪いのであるが、不思議なことに、どの年も卒業式の日はきまって天気が良い。今日も例外ではなかった。日本では3月が卒業のシーズンであるが、こちらでは、夏の明るい陽光の中での卒業式である。夏のよろこびと学校が終わったよろこびとが重なって、町中の雰囲気が一気に爆発したように開放的になる。卒業するのは小学生ばかりではない。高校生も同じ日に卒業する。卒業生は皆白い帽子をかぶり、若い姿が夏の光に良く似合う。白樺の若枝を採ってきて家の玄関に飾ったりする。午後になると、卒業生は、オープンカーやらトラックやらに分乗して、たくさんの風船をつけたり、さかんな音をたてながら町中をパレードするのである。うるさくても、この日ばかりは顔をしかめる人も居ない。卒業式は夏に欠かせない風物になっていて、10日ほど後の夏至祭に至るまで、町は一年のうちでも一番の活気を見せる季節である。