ラーゴム

木 旧暦5月9日 先勝 癸未 八白土星 Eskil V24 21672日目

スウェーデン人は、ラーゴムという言葉を良く使う。そしてこの言葉はスウェーデン語以外の言葉では一語で表わし得ない表現であると、彼らは良く言う。その意味するところは、多からず、少なからず、ちょうどころ良い加減である、というくらいの意味である。のどがひどく渇いている時に水道の水をがぶ飲みするとしよう。最初は夢中で飲んで、あるところまで来たら、もうこの辺でいいかな、と思うあたりがラーゴムである。もともとは水ではなくて、酒を飲む時にこの言葉は使われ始めたらしい。どれくらい、という量を枡で測って定量化するのではなく、感覚的なところでこれくらいかな、を決めるのがラーゴムである。日本語でもお料理で、お塩少々、というような言い方をすることがあり、少々とは何グラムをさすのかと、野暮な意義を唱える人もある。本当にのどが渇いた時、200ml と決められた量をコップにとって、薬のように決められた量だけ飲んでもあまり快感は無い。何でも数量化すれば良いというものでもないと思う。だからラーゴムという言い方はスウェーデン的な言い方かもしれないが、日本人には良く分かる気がする。あれはそれほどスウェーデンに特有な言葉であろうかと、僕は思ってしまう。適当な日本語訳は思いつかないが、しいて言えば「このくらい」とか、「いいとこ」くらいになるであろうか。