時間とは

日 旧暦3月29日 先勝 甲辰 八白土星 みどりの日 Monica Mona Söndagen före pingst V18 21633日目

「時間はどこで生まれるのか」という本を読んだ。著者は橋元淳一郎。久しぶりに読んだ時間論に関する本である。初めの方に相対論と量子論は時間をどう扱うかが書いてあって、これは、物理学の入門書になっている。分かりやすく書かれていて、読めば何となく分かったような気になるのであるが、本を閉じて自分の言葉で説明してみようとするとなかなかむつかしい。これらの説明の後に非可逆過程の話が出てくる。コーヒーにミルクを落とせばやがて混ざり合っていくように、あるいはアイスクリームを部屋に置けばやがてとけてしまうように、世の中の秩序はすべて放って置けば混沌に向かっていく。そのような流れに逆行するように生命が生まれた。それを可能にしたのは生命の「意思」である。「生きる」ということは混沌に向かおうとする必然の流れに棹さすような営みである。どんな生命もやがては死という混沌を迎える。「意思」の記憶は主観的時間の流れを生んだ。現在という場所に立って未来と過去を眺める時、それは本来動きの無い絵のようなものであるかしれない。自分の記憶を取り去れば、未来が未知であるように過去もまた未知であるかしれない。そして、そこに立つことが出来るのはひとり私のみであって、どんなに親しい隣人たりとも同じ場所に立つことはできない。そうしてそこに意思を吹きこむ時、混沌に向かう流れとそれに抵抗する秩序の維持との戦いが始まり、主観的時間の流れが生まれるのである。とまあ僕流に本の内容をまとめるとこういうことになるが、間違っていると言うか、的を得ていないかもしれない。僕が書くと内容が薄っぺらになるのでこの辺でやめる。