ウエブ時代の二宮金次郎

金 旧暦10月14日 大安 辛酉 三碧木星 勤労感謝の日 小雪 Klemens V47 21472日目

僕らが小学校の頃には、二宮金次郎は刻苦精励の偉い人と教わった。背中に薪を背負って働く時も山道を歩きながら本を読むほど学問好きの人であったと教わった。そうしてこの人を見習いなさいとでも言うように、日本各地の小学校の校庭の隅には二宮金次郎銅像が置かれていた。しかし、世の中には色々な人がいて、読書好きの人もいて、たまたま二宮金次郎は本を読むのが大好きであっただけかもしれないとも思う。勤労感謝の日にこのような不謹慎なことを書くのも気が引けるのであるが、町を歩いていると、リュックを背負って片手に携帯電話をかざしてそれを眺めながら歩いてくる人とすれ違うことがある。危なっかしくて仕方ないのであるが、ふとその時に思い浮かぶのは、あの二宮金次郎の姿であった。あのリュックを薪に、あの携帯電話を本に置き換えれば、もうこれはそっくりそのまま現代の二宮金次郎ではないか。携帯電話から読み出すことの出来る情報は殆ど無限大である。してみれば、これからの小学校の銅像はかくあるべきかもしれないと思う。と同時に二宮金次郎は刻苦精励の人というより、意外とあのすれ違った人と同じような、身近な人であったのかもしれないなとも思われて来るのであった。