百夜通いの翌朝は

金 旧暦9月9日 大安 丙戌 ニ黒土星 上弦17:33JST Tore, Tor V42 21437日目 1.5℃

夏休みになんとなく暇で、その他にこれという理由も無くブログを書き始めた。したがって長続きはしないであろうとはじめから思っていたが、いつの間にか今夜はもう第百夜にあたる。深草少将は、小野小町に言い寄った時、「百夜通ったら」と言われて、実際に毎夜せっせと通ったのであるが、九十九夜まで通った翌日、深い雪のために通うことができなかったという伝説がある。ブログを書くという行為は自分の記録をネットの向こう側に置くという行為であるが、心理的には女のもとに通う男の胸のうちとどこか通ずるものがあるのではないかという気がする。同じファイルを自分の機械の上に置くだけならこういう気分は起こらないのではないだろうか。むろん百夜通っても何も良いことはないのであるが、僕にも深草少将のように百夜目に何か障害が起こるのではないかと心配していた。その心配はやや当たったともいえる。百夜通いの翌朝に日本に行くことになり、出発はあと数時間後に迫った。それなのに、持っていく機械の上に仕事のファイルをコピーするなどの作業がまるで済んでいない。旅行かばんはまだ空っぽである。もはやこんなことを書いている場合でない。早く書くのを切り上げよう。でも、これで百夜通ったことになる。あと数時間がんばって飛行機で寝ればよい。日本ではブログを書く時間が無いかも知れないが、できる限り書き続けたいと思う。