同時代の言葉

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紫式部清少納言はともに千年前の宮廷女流文学の旗手であるが、同じ時代の文章でも僕らが読んで分かりやすいのは清少納言の方である。夏目漱石森鴎外も同じ時代を生きたが、僕が読んで分かりやすい、というか親しみやすいのは夏目漱石の方である。あまり本を読む方でないから何ともいえないが、現代作家でも難解な文章を書く人がいる。昔の人は「読書百遍意自ずからから通ず」と言ったが、今のようにたくさんの本が出版されると百遍も読んでいられない。それでもメソポタミアの古代楔形文字など、百遍読んだって絶対分かりっこないから、その点、やはり、日本語はありがたい。むつかしい日本語でも百遍読めば分かるようになるのは、きっとその中に漢字が含まれているからであろうと思う。現代のようにあまりにもカタカナ言葉が氾濫すると、そのうち日本語も僕にとっては楔形文字と変わらなくなってしまうかもしれない。

枝揺れぬ 散りしもみじの 名残かな